ウインドリバーは2012年10月5日、同社が組み込み用途に提供するLinux OSの新版「Wind River Linux 5」を発表した。新版では、組み込みLinuxの業界規格であるYocto Projectに準拠した。ソフトウエア開発者から見て、各種プラットフォームにLinuxを組み込みやすくなったとしている。

 Wind River Linuxは、組み込み用途に特化したLinux OSである。コンパイラやライブラリなどの開発環境を一通り備える。Intel、ARM、MIPS、Power PCなど各種のハードウエアプラットフォーム上で動作するLinux OSとアプリケーションを開発(ビルド)できる。

 今回の新版では、組み込みLinuxの開発環境を業界内で標準化するために2010年に立ち上がったプロジェクト、Yocto Projectに準拠させた。Yocto Projectの成果物であるランタイム環境やファイルシステム、ビルドシステム(開発のためのツール群)などを備える。この上で、最適化を図ったほか、各種アドオン/サービスを追加している。

 Wind River Linux 5の出荷は、2012年9月27日にワールドワイドで開始済み。価格は非公開だが、配布用のランタイム環境は無償。今後は新版の利用を推奨するが、2009年から提供している既存版(Wind River Linux 4)の提供も継続する。既存版からYocto Projectベースの新版へのアプリケーションの移行は容易であるとしている。