米FacebookがWebサイトにソーシャルプラグインとして提供している「like(いいね!)」ボタンの回数表示には、サイト訪問者がlikeを付けた回数だけでなく、Facebookのウオールや個人メッセージを介したリンク共有の回数も含まれている。この動作がWebサイトの評価を高めるのに不正利用される危険性がある---。こう指摘する記事を複数の米メディア(Wall Street JournalとCNET)が掲載した。
Wall Street Journalによると、Facebookのメッセージでリンクを共有してlikeカウンターの数字を上げる様子を記録したビデオがIT系情報サイト「Hacker News」に投稿された。投稿者によれば、「1時間に1800 likeを付けることが可能だ」という。
likeボタンに関するFacebook開発者向けページの説明を見ると、FacebookにおけるリンクURLの共有、リンクURLが添付されたメッセージ、記事に対するコメント投稿などもlikeボタンの回数に含まれると明記されている。しかし、データの使用に関するポリシーからは、個人メッセージを介したリンク共有が追跡されていることを一般ユーザーが認識するのは難しいとWall Street Journalは批判している。
また、CNETは、Webサイトの過剰なlike回数増加に参加したくないユーザーが不快な思いをする可能性があり、メッセージのプライバシーが侵害されていると感じるユーザーもいるかもしれないと懸念を示している。
なお、Facebookは両メディアの問い合わせに対し、「メッセージを介したリンク共有がカウントされても、個人情報は断固として収集されず、コンテンツのプライバシー設定も影響を受けない」と答えている。