Googleとの和解を告げる米国出版者協会(AAP)のホームページ
Googleとの和解を告げる米国出版者協会(AAP)のホームページ
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 米Googleと米国出版者協会(AAP)は現地時間2012年10月4日、Googleの図書館プロジェクト「Google Library Project」をめぐる著作権侵害訴訟で、両者が和解したと発表した。これにより出版者は、個々の書籍や雑誌記事について、Google Library Projectへの参加・不参加を選択できるようになった。AAPのTom Allen会長は、「この和解で問題が解決された。これにより、コンテンツ発見の革新的な手段を提供しながら、著作権者の権利も尊重される」とコメントしている。

 Googleは、公共図書館や大学図書館の蔵書をデジタル化し、インターネットで検索、閲覧できるサービス「Google Books」(旧名称:Google Book Search)を行っている。この行為が著作権侵害に当たるとし、2005年に米国の作家協会Authors Guildなどが集団訴訟を起こし、このとき併せてAAP加盟出版社を代表して出版大手5社が提訴した。作家協会と出版社側はその後、Googleが総額1億2500万ドルを支払うことで同社と和解したが、裁判所が和解案を認めなかった(関連記事)。

 米メディア(Bloomberg)によると、作家協会とGoogleの交渉はその後決裂したが、出版社はこれまで協議を続けてきた。

 なお、出版社とGoogleによると、両者の係争は集団訴訟でないため、裁判所の承認は必要ない。また、今回の和解は作家協会の訴訟には影響を及ぼさない。Bloombergは、作家協会の幹部が「出版社とGoogleの契約がどのようなものであっても、Googleによる作家に対する著作権侵害が解決されたわけではない」と話したと伝えている。

 AAP加盟出版社を代表して提訴していたのは、 The McGraw-Hill Companies、Pearson Education、Penguin Group(USA)、John Wiley & Sons、Simon & Schusterの5社。

[Googleの発表資料]
[米国出版者協会(AAP)の発表資料]