写真●EMC VNXe3150の外観
写真●EMC VNXe3150の外観
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 EMCジャパンは2012年10月1日、最小構成で84万円(税別、以下同)と同社で最も安価となる中小企業向けストレージの新モデル「EMC VNXe3150」(写真)を発表した。10月22日に出荷する。既存の最安価モデル「VNXe3100」(2011年5月出荷)の後継に当たり、スペックを向上させる一方で価格を下げた。

 VNXe3150は最もエントリークラスに位置する中小企業向けのストレージである。中小規模の需要に合わせて、標準でSAN(iSCSI)とNAS(CIFS/NFS)のどちらの使い方もできるようにしている。さらに、運用管理ソフトの工夫などによって、専任のIT担当者がいない部門でも使えるようにしている。

 最近のストレージが備える基本的な機能を備える。例えば、ある時点のデータのコピーをとるスナップショット機能や、ボリューム容量を仮想化し、実際に割り当てた物理ディスクの容量を超えて運用できるようにするシンプロビジョニング機能などを備える。ファイル単位での重複排除機能やファイルデータ圧縮機能も提供する。

 新モデル(VNXe3150)は、既存モデル(VNXe3100)のスペックを高めて価格を下げた後継モデルである。スペック上の主な違いは、コントローラのCPU(Xeon)をデュアルコアからクアッドコアに変更したことと、3.5インチSASドライブに加えて新たに2.5インチSASドライブを利用できるようにしたことである。

 搭載可能ドライブの拡張などにより、ラック当たりの性能と容量が50%向上したという。2.5インチSASではSSD(Solid State Drive)を搭載可能で、3.5インチSASでは容量3TバイトのニアラインSASドライブを用意した。2Uの拡張きょう体当たり、3.5インチ×12台または2.5インチ×25台を収容する。

 最小構成時(シングルコントローラー、SAS 300Gバイト×6台)の価格は、既存のVNXe3100が95万円で、新モデルのVNXe3150が84万円である。なお、既存モデル(全2モデル)のうち3Uラックマウント型の上位モデル「VNXe3300」は継続して販売する。2011年5月の出荷当時と比べて、搭載可能ドライブなどを拡充している(VNXe3150と同じ)。