写真●白河データセンターの外観。左側が4階建ての1号棟で右側の建物は管理棟
写真●白河データセンターの外観。左側が4階建ての1号棟で右側の建物は管理棟
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 ヤフーとIDCフロンティアは2012年10月1日、福島県白河市に建設した大規模データセンター「白河データセンター」(写真)が稼働開始したことを発表した。このデータセンター(DC)は、サーバールームの冷却に外気空調方式を採用していることや、東京との間のネットワーク遅延が小さくレスポンスが高いことなどが特徴という。

 外気空調方式の採用では、両社が福岡県北九州市に建設済みの環境対応型DC「アジアン・フロンティア」の運用(2008年9月~)で培ったノウハウを活用。DC内の排熱による上昇気流も利用しながら、温湿度に応じて「全量外気導入」から「内部循環」まで複数の空調モードをコンピュータ制御により自動運転する仕組みになっている。

 両社の見積もりでは、上記コンピュータ制御および自動運転により年間の冷却処理の90%以上を外気冷却でまかなえるとしており、これによりDCで消費する電力の多くを占める空調電力を大幅に削減。エネルギー効率を表す指標であるPUE(Power Usage Effectiveness)の値として「1.2以下」を目指すという。

 ネットワーク遅延の小ささに関しては、伝送路を最短経路で設計するとともに中継ノード数をできる限り少なくすることにより、東京-白河DC間のレイテンシー(遅延)を「3.5ミリ秒前後」に抑えられたとしている。これは「東京近郊に位置するデータセンターと同等の応答速度」(両社)であり、東京-大阪間の約3分の1、東京-沖縄間と比べると約10分の1の値になるという。