写真1●KDDI ∞ Laboの第3期参加チーム。今回の発表会場は、渋谷のヒカリエにあるラボの新スペース
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写真2●REVENTIVEが開発した9人限定のSNS「Close」
写真2●REVENTIVEが開発した9人限定のSNS「Close」
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 KDDIは2012年9月27日、同社が推進するベンチャー企業のインキュベーション(孵化)事業「KDDI ∞ Labo」の第3期参加チームを発表した(写真1)。

 今回の発表に合わせてiOS向けアプリを公開したのが、つながりを9人に限定したSNS「Close」(写真2)である。

 Closeを開発したのは、関西の大学生によるベンチャー企業のREVENTIVE。同社CEOの水田大輔氏は「シリコンバレーで、Closeの方向性を見付けた」という。米国では、不特定多数とつながるSNSに対して「息苦しい」「違和感がある」と多くの人が実感しており、対象者を絞った限定型SNSへの注目が集まっているという。

 シリコンバレーの著名人へのインタビューから導き出したサービスが、Closeというわけだ。「シリコンバレーをはじめ、クローズドソーシャルが普及していないアジアでの普及を目指す」(水田氏)。

 登録者数を限定したSNSとしては「Path」が先行している。ただし、その登録数は最大150。Closeでは登録者数を9人に限定することで、本当に仲がよい人と本音を言い合えるメディアを目指している。

 9人としたのには、「定期的に連絡を取り合う友人の数として実際に多いのは、7~15人」という統計上の裏付けがある。スマートフォンの画面上に、9人の友人を3×3で並べられるデザイン上の理由もあるようだ。

 もう一つの特徴が、友人関係の「承認」「拒否」といったプロセスがないことである。互いが友人として登録し合った場合に限り、相互の情報共有が始まる。さらに、友人が選んだ9人の顔ぶれは一切分からない。自分とつながっているかどうかだけが分かる仕組みである。

 マネタイズについては、アフィリエイトモデルを想定している。ごく親しい仲でのやりとりなので、高額賞品を対象としたレコメンドサービスが提供しやすいとの想定だ。REVENTIVEは、KDDI ∞ Laboでの活動を通じて、今後はAndroid版の開発やグローバル展開力を入れる。

 このほかの第3期の参加チームとしては、投稿と共に街が発展するというゲーミフィケーション要素を取り入れたライフログ蓄積プラットフォーム「LogTown」、起きた人が別の人を起こすリレー形式の目覚ましアプリ「Morning Relay」、イベントチケットの“もぎり”をスマートフォン上で実現する「tixee Relay」、学びたい大学受験生と教える人をマッチングする学習プラットフォーム「mana.bo」が選ばれており、それぞれサービス内容を発表した。多くがソーシャル性を取り入れたサービスであり、SNS全盛をうかがわせる顔ぶれとなった。