富士ゼロックスは2012年9月28日、閲覧期限が切れた文書ファイルを暗号化することによって、モバイル端末を紛失しても情報が漏洩しないようにするソフトウエア「モバイル・コンフィデンシャル・ビューイング」を発表した。同社内で動作検証済みであり、商品化を検討しているという。

 モバイル・コンフィデンシャル・ビューイングは、暗号化によって情報漏洩を防ぐ文書閲覧ソフト。最大の特徴は、個々の文書に対して閲覧の有効期限を設ける点である。有効期限内は閲覧が可能だが、有効期限が切れると自動的に暗号化され、閲覧できなくなる。閲覧期限を更新することによって、次の有効期限が切れるまでの間、また閲覧できるようになる。有効期限を短く設定すればするほど、セキュリティが高まる。

 ソフトウエアは、モバイル端末側で動作する専用の文書閲覧ソフトと、文書ファイルを配信するサーバーソフトで構成する。サーバーは、暗号化された文書ファイルに加えて、暗号を解くための復号鍵と、再度暗号化するための暗号鍵を同時に配布する。一方、文書閲覧ソフト側では、ダウンロードした文書ファイルを復号鍵で解き、閲覧期限が切れると、入手している暗号鍵で再度暗号化する。

 閲覧期限が切れると、文書ファイルをダウンロードしたサーバーにアクセスする。ここで、閲覧期限が切れたために自ら暗号化した文書ファイルを復号するために必要な鍵と、次回また閲覧期限が切れた時に利用する暗号鍵を、ともにダウンロードして入手する。閲覧期限が切れるたびに、これを繰り返すことで、セキュリティを保つ。