iOSのバージョン別顧客満足度の比較(出典:英On Device Research)
iOSのバージョン別顧客満足度の比較(出典:英On Device Research)
[画像のクリックで拡大表示]

 英On Device Researchが現地時間2012年9月27日に公表した調査によると、米Appleの新モバイルOS「iOS 6」の顧客満足度が前版の「iOS 5」から低下した。通常、モバイルOSはバージョンアップのたびに満足度が向上するが、AppleのOSの満足度が低下に転じるのは今回が初めて。「低下の度合いは小さいが、新OSは大成功とは言えない」とOn Device Researchは指摘している。

 調査は、米国のiPhoneユーザー1万5797人を対象に行い、「まったく満足していない」(1点)から「とても満足している」(10点)までの10段階で評価を聞いた。前回の調査ではiOS 5の平均得点が「7.75」で、iOS 4の「6.93」から大きく上昇した。これに対し今回の調査でiOS 6は「7.65」に低下した。

 On Device Researchは「消費者は既存のiPhoneをiOS 6へアップグレードしたり、iOS 6標準搭載のiPhone 5に買い替えたりしているが、その反応はこれまでのOSほど良いものではない」と述べている。

 この問題について、IT系ニュースブログのTechCrunchは、iOS 6では地図アプリケーションを米Google製から自社製に取り換えたが、その出来が悪かったことが原因ではないかと伝えている(関連記事:iOS 6の地図アプリ、米消費者情報誌も低い評価、「期待を裏切る品質」)。

 ただしTechCrunchは、先ごろ公表された米J.D. Power and Associatesの調査結果を示し、「もともとiPhoneの顧客満足度は高く、今回の調査で見られた若干の点数低下がiOS端末の販売に大きな影響を及ぼすことはないだろう」としている。

 J.D. Power and Associatesのスマートフォン満足度調査では、iPhoneは1000点満点中849点でトップ。これに、台湾HTC(790点)、韓国Samsung Electronics(782点)、米Motorola(777点)、フィンランドNokia(763点)などが続いた。

[On Device Researchの発表資料]
[J.D. Power and Associatesの発表資料]