NoSQLの分散データベース(DB)/ストレージである「Riak」の開発元、米バショー・テクノロジーズは2012年9月27日、日本法人であるバショー・ジャパンを設立したと発表した。バショーは2012年7月にIDCフロンティアと資本提携しており、IDCフロンティアはバショーの製品を使ったストレージサービスを2012年内に開始する予定だ。

 バショーは、米アマゾン・ドット・コムが公開した「Dynamo」の論文を元にした分散キー・バリュー・ストア(KVS)のRiakをオープンソース・ソフトウエア(OSS)として開発・公開している。Riakは、可用性や拡張性が高いことを特徴とする。データは小さいブロック(チャンク)に分割したうえで、複数のPCサーバー(ノード)に分散保存するため、可用性や拡張性が高い。データの分散方式として「コンシステント・ハッシング」を採用する。

 バショーは、Riakの商用版である「Riak EnterpriseDS」のほか、ストレージサービスを実現するためのソフト「Riak CS」などを販売している。商用版のRiakは、データを異なる複数のデータセンターにまたがって複製保存できることが特徴だ。一方、「Riak CS」はRiakを基盤に使用し、「Amazon S3」と互換性のあるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を備えることを特徴とする。バショーの製品は、米ベストバイや米シマンテックなどが採用している。

 日本法人であるバショー・ジャパンの社長には、米ジョイエントでセールス・ディレクターを務めるなどした高木修氏が就任した。

 IDCフロンティアは、Riak CSを採用したストレージサービスの評価版サービスを、2012年10月30日に開始する。この時点では、データはIDCフロンティアの東京と北九州にある2カ所のデータセンター間で複製保存する。2012年12月3日には、対象をより広げた評価版サービスを開始する予定で、この時には3カ所のデータセンター間でデータを複製保存する予定である。