「カメラ付き端末が増えて、家庭用プリンターの需要が高まっている」(キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長)
「カメラ付き端末が増えて、家庭用プリンターの需要が高まっている」(キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長)
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キヤノンが購入者を対象に実施した満足度調査の結果。ランニングコストの満足度が低い
キヤノンが購入者を対象に実施した満足度調査の結果。ランニングコストの満足度が低い
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 キヤノンは2012年9月26日、インクジェットプリンター/複合機「PIXUS」シリーズの新製品の発表会を開催し、市場のトレンドと同社のマーケティング戦略を解説した。

 同社によれば、近年はミラーレス一眼の人気に加えて、スマートフォンやタブレット端末などカメラ機能を持つ端末の普及が進み、撮影した写真を家庭で印刷したいというニーズが高まっているという。このため、「2009年以降はインクジェットプリンターの販売台数が右肩上がりで、2012年度も昨年度より5万台多い538万台に達する見込み」(キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長)。

 スマートフォンの普及に伴い、無線LANを導入する家庭も増えている。そこでキヤノンは、今回発売した家庭向け新製品の全機種を無線LANに対応。スマートフォンで撮影した写真を直接印刷できるようにした。

 このような使い方が可能になると、プリンターの設置場所も変化するという。従来のようにパソコンの近くだけではなく、リビングなどに置くことも浸透してきているとする。このため、リビングに置いても違和感がないように、プリンターの高さを18~25mm低くしたり、5色のカラーバリエーションを設けたりするなど、プリンターの外観を「スマート」にすることにも注力した。

 ランニングコストの低減にも力を入れたとする。同社プリンター製品のユーザーに満足度調査を実施したところ、「写真プリントの画質は期待通り、操作性やコピー性能は期待以上だが、インク交換などにかかるランニングコストは期待度を下回っていた」(佐々木統専務)ためだ。

 そこで、今回の新製品では大容量のインクタンクを採用。標準インクタンク使用時には22円だったL版写真のインク・用紙合計コストを、大容量タンク使用時には16.2円に引き下げられたとしている。