写真●Hitachi Unified Storage VMの外観
写真●Hitachi Unified Storage VMの外観
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 日立製作所は2012年9月26日、中規模向けSANストレージの新機種「Hitachi Unified Storage VM」(写真)を発表、同日出荷を開始した。異機種ストレージを束ねる仮想化機能など、これまで大規模向けに提供してきた二つの機能を、中規模向けにも搭載した。価格(税込み)は、2902万2000円から。

 中規模向けストレージ「Hitachi Unified Storage」の新機種。きょう体の内部で最大3077Tバイト、外部ストレージと合わせて最大64Pバイトまで物理容量を拡張できる。出荷時点ではFC(Fibre Channel)接続専用だが、2012年11月提供のオプションにより、NASとしても利用できる。統合管理画面からSANとNASを同時に管理できる。

 企業向けSANストレージが備える機能を一通り備える。例えば、ボリューム容量を仮想化するシンプロビジョニング機能や、アクセス頻度に合わせて性能が異なるディスク間でデータを自動的に移動する動的ILM(階層型ストレージ管理)機能(オプション)を利用できる。

 新機種の特徴は、中規模向けでありながら、これまで大規模向け(Hitachi Virtual Storage PlatformまたはHitachi Universal Storage Platform)だけで提供してきた二つの機能を利用できることである。具体的には、ユーザーのニーズが大きい(1)異機種ストレージの仮想化機能と、(2)遠隔コピー機能(オプション)の二つを利用できる。

 (1)異機種が混在した複数台のストレージを束ねて、あたかも1台のストレージであるかのように使うことができる。複数ストレージにまたがった最大64Pバイトのボリュームを運用できる。

 (2)遠隔地のストレージ同士の間で、サーバーによるデータアクセスとは非同期に、データをコピーできる。更新順序も含めてジャーナル(変更履歴)ファイルに記録し遠隔サイトへ転送する仕組みにより、ネットワーク通信をできるだけ発生させることなく一件一件のデータ更新単位ごとにデータを保障してコピーできるという。

 ハードウエアの主な仕様は、以下の通り。コントローラーは2台で、きょう体内に最大1152台(2.5型または3.5型)のSASドライブ(3077Tバイト)を搭載できる。ポートは8Gビット/秒のFC×8~48ポート。キャッシュ容量は32Gバイト~128Gバイト。RAIDはRAID 1/5/6。外形寸法は、幅610~3090×高さ1920×奥行1020mm。電源入力は、単相200V。