NECは2012年9月26日、データベース製品の新版「InfoFrame Relational Store(IRS) V2.1」を11月下旬に出荷すると発表した。新たに、オープンソースの分散処理ソフト「Hadoop」との連携機能を加えた。希望小売価格は最小構成で555万円(ハードウエアやSI構築費用などは含まず)である。

 Hadoopとの連携機能は三つある。一つめは、Hadoopの専用ファイルシステム「HDFS」を介さず、HadoopからIRSに対して直接アクセスを可能にする「ダイレクトアクセス機能」である。

 IRSは、キーバリュー型データストア(KVS)に対してSQLを使ってアクセスできるNoSQLに分類される製品。SQLインタフェースを提供する「Partiqleサーバ」、トランザクション機能をつかさどる「トランザクションサーバ」、KVSである「ストレージサーバ」の3階層で構成する。「通常のアプリケーションはPartiqleサーバに対してSQLを発行するが、ダイレクトアクセス機能により、Hadoopからストレージサーバへ直接アクセスできるようにした」(NEC 第三ITソフトウェア事業部 シニアマネージャーの白石雅己氏)。

 二つめは「差分アクセス機能」。IRSに蓄積したデータの中から、必要なデータのみをフィルタリングし、データベースやテーブル単位でHadoopに転送する。ある時点の全データをHadoopに送り、その後はIRSに追加されたデータのみを転送対象にできる。毎回、全データを送る必要がなくなり、Hadoopへのデータ転送時間が短くなる。

 最後は「パラレルローダー機能」。Hadoopの処理結果をIRSに並行してロードすることでスピードアップを図る。