写真1●「国指定文化財等データベース」に貼り付けられた画像(文化庁提供)
写真1●「国指定文化財等データベース」に貼り付けられた画像(文化庁提供)
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写真2●サービス停止中の文化庁「国指定文化財等データベース」
写真2●サービス停止中の文化庁「国指定文化財等データベース」
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 文化庁は2012年9月24日、運営するWebサイト「国指定文化財等データベース」がサイバー攻撃を受け、サイトの一部が改ざんされていたことを発表した。文化庁はWebサーバーを管理・運営している会社にサーバーの停止を指示し、同日午前9時30分頃から停止している。

 「国指定文化財等データベース」のトップページが書き換えられ、文化財とは無関係の画像(写真1)が貼り付けられた改ざん被害が確認された。この画像では、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島のものとみられる写真に中国国旗が立てられている。赤字で「魚釣島は中国のもの 日本も中国のもの」といった意味の中国語のメッセージが書かれている。

 文化庁は、ほかに被害がなかったかどうかを含めて、詳細な状況を現在調査中だ。再発防止策の検討とシステムの復旧に向けた作業も進めている。ただし、9月25日午後の時点で「国指定文化財等データベース」(写真2)は復旧しておらず、復旧のメドは立っていない。

 日本の国家機関のWebサイトはサイバー攻撃の標的になりやすい。裁判所のWebサイトも同様の改ざん被害に遭い、9月21日に1週間ぶりに復旧したばかり(関連記事)。日中関係が深刻化する以前の2012年6月にサイバー攻撃を受けた財務省の「国有財産情報公開システム」(関連記事)は今も復旧しておらず、影響が長期化するケースが増えている。