写真●AJチェアの外観
写真●AJチェアの外観
[画像のクリックで拡大表示]

 内田洋行は2012年9月24日、同社の従来製品と比べて価格を3割安くしたミドルクラスのオフィスチェア「AJチェア」(写真)を発表、同時に発売開始した。アジアと国内で同一の製品を提供することで低価格化を実現したという。価格(税別)は、ひじ掛け無しで4万9800円から、ひじ掛け付きで5万7500円から。国内で設計した製品を、マレーシアで生産する。

 AJチェアは、以前から国内で人気のある「体重感知」や「メッシュバック」といった特徴を備える、ミドルクラスのビジネスチェアである。体重感知は、リクライニング時に背を押す力を、座る人の体重に応じて動的に変えるメカニズムである。体重が重い人ほど反力が強くなる。例えば、体重100kgの人が受ける背反力は、体重50kgの人の140~190%になる。

 体重感知やメッシュバックといった機構は、これまでは主に国内で需要が高かった。このため、国内専用の製品として、アジア向けの製品とは別の製品ラインとなっており、複数の製品を別々に設計/生産しなければならず、結果的に単価が高くなっていた。一方、昨今では、アジアにおける需要が変化し、国内で人気のあるチェアがアジアにおいても人気が出ているという。これにより、国内向けの製品とアジア向けの製品を同一化できるようになった。

 これらを含めて複合的な理由で、これまでの国内向け製品と比べて単価を3割安くした。まず、単純に国内とアジアを共通化することで、製品の種類が減る。国内で設計した同一の製品を、マレーシアで生産する(これまで、国内向けは国内生産)。さらに、以前の製品よりも部品の数を減らしている。また、そもそもメッシュバックは1枚の部品であるほか、体重感知は部品点数が少ない機構である。個々の部品の調達経路も、より安価な仕入先を確保した。