コナミ、セガの巨大ブースの手前にひっそりとたたずむ「アジアニュースターズコーナー」。ここには、インドネシア、ベトナム、イラン、マレーシアという、日本ではあまりなじみのないゲームベンチャー、開発会社のブースが並んでいる。遠目からはあまり積極的に販促をしているようにも見えないが、彼らは何のためにこのゲームショウに出展したのだろうか? "中の人"も明らかに外国人なので、日本語が通じるかさえも心配だったが勇気を出して話しかけてみた。
最初に近づいてみたのはインドネシアのブース。ここに出展しているのは、同国の代表的なゲーム開発会社Altermythだ。インドネシアからの留学生が通訳として常駐しているので、インドネシア語が分からなくても大丈夫だった。それどころか、インドネシアのゲーム開発会社を紹介するパンフレットも“途中まで”日本語訳されている。取材に来た旨を告げると「中へどうぞ」と促され、Altermythが開発したアプリをいくつか試させてくれた。
それらはすでにGoogle PlayやAPP Storeで公開されているのだそうだが、いままで巡り合ったことはなかった。インドネシア製のアプリを体験してみたい方は、気軽に声をかけてみよう。
インドネシアのブースが意外に大丈夫だったので、勢いに乗ってベトナムのブースに突撃してみた。このブースには何の展示もなく、何やら怪しげな卵のようなものが無造作に並べられているだけだ。「何なの? これ」と思い、ブース内でパソコンとにらめっこしている女性に声をかけてみた。
女性はベトナム在住の林田さんといい、このブースを出展しているGLASS EGG DIGITAL MEDIAの社員さんとのこと。なぞの卵(?)の正体は、社名とURLをプリントしたノベルティーグッズだった。展示がないのは、同社がゲーム内のキャラクターや背景をモデリング、テクスチャリングすることに特化した会社だから。13年の実績があり、日本の企業とも取引があるそうなので、ゲーム関連会社の方はぜひ。
イランのブースを出展しているのは、Iran National Foundation of Computere Games。ブースにはいくつかのゲームのポスターが貼られているが、こちらもゲーム開発会社ではなく、それらをサポートするための非営利・非政府組織だ。担当者の話によるとイランにはゲーム開発会社が約100社あり、それらを対象に人材の教育支援などをしている組織なのだと言う。日本語のタイトルもあるので、ローカライズされているタイトルものもあるのだろう。残念ながら実物をプレーすることはできないが、ここにも通訳の女性がいるので英語が苦手でも話は聞ける。
最後に訪れたのがマレーシアのブース。ここには通訳もいないし、日本人らしきスタッフもいないのでどうなることかと思ったが、対応してくれたスタッフは日本在住18年というインドネシアの方で、見かけによらず(?)日本語はペラペラだ。Malaysian Game Studiosは、Fun & Cool Venturesをはじめとするマレーシアのゲーム関連会社4社が共同出展しているブース。それぞれ担当者が異なるため、自社製品以外については分からないとのこと。参考までに、取材時に対応してくれたのはFun & Cool Venturesの方だ。
(写真/柴田進)