東京ゲームショウ2012の中で、ひときわ大きなブースを構えたGREE。ソーシャルゲーム業界をけん引する同社のブースの見所や海外展開、今後の展望などを執行役員メディア事業本部長開発本部 副本部長の吉田大成氏に聞いた。

今年のゲームショウのGREEブースの見所は?

GREEの執行役員メディア事業本部長開発本部 副本部長の吉田大成氏
GREEの執行役員メディア事業本部長開発本部 副本部長の吉田大成氏
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吉田:今回は「ソーシャルゲームの進化」を現場のテーマとして打ち出しています。初出展の去年はソーシャルゲームに対するパラダイムシフトをメッセージとしていました。ご存じの通り、この1年間でスマートフォンはかなり進化してきました。CPUやGPUは、家庭用ゲーム機に負けないほどのスペックになり、新たなジャンルのソーシャルゲームを作れる環境が整ってきたと言えます。

 今回展示したレースゲーム「Wacky Motors」やTPS(三人称視点シューティング)「WAR CORPS」などで、新たなソーシャルゲームの可能性を示していければよいと思っています。

初出展の去年と今年の違いは?

吉田:来場者が我々を見る目がぜんぜん変わっていると感じています。去年は「GREEがゲームショウに出たらしいよ。家庭用ゲームのついでに見ていこうか」という雰囲気がありました。今年はGREEがどう進化したのか、何を出展しているのか、積極的に我々の展示を見に来てもらえていると思います。初日のビジネスデイということもありますが、GREEの今後に興味を持ってもらえているとすごく感じました。

田中社長が東京ゲームショウの講演で、開発を日本中心から世界の市場ごとにシフトする方針を打ち出した。海外展開の状況は?

吉田:本当に僕らが思っている以上に速く進んでいます。その中でグローバル向けのプラットフォームを提供し、米Funzioも買収して、さらにゲーム開発のスピードも速めてきました。世界市場に向けて日本で開発したタイトルも順次リリースしています。海外展開の中で見つかった課題もありましたが、僕らの得意としている最適化を施し、結果が出始めています。

海外には11の拠点があります。意思決定のスピードや各拠点の意思疎通に問題はないのか?

吉田:それぞれの拠点の独立性を維持しつつ、取り組めていると思います。我々の強みである社内の情報共有システムを活用し、改善のスピードを維持しながら各拠点を立ち上げられたと思います。

急成長によるデメリットは?

吉田:日本の会社だと、急成長するとうまくいかないのではないかと思われがちです。しかし、グーグルやフェイスブックは急成長していますし、急成長自体は悪いことではありません。気をつけながら、ちゃんと成長できれば、事業も拡大して、ビジネスも上手くまわっていきます。そこは気をつけてやってきました。