東京ゲームショウ初日の9月21日、グリーブースでビジネスセッション「ゲームの進化は止まらない」が開催、gumi、カプコン、そしてグリーでソーシャルゲームを手掛ける3人のクリエーターが、熱いトークを繰り広げた。

 会場には、gumiの執行役員である今泉潤氏、カプコンのCS開発統括 東京制作部 部長である杉浦一徳氏、グリーのメディア事業本部 エグゼクティブディレクターである土田俊郎氏が登壇。ゲームジャーナリストの新清士氏がモデレーターとなり、「これからのソーシャルゲームの姿」「スマートフォンが与える影響」「海外進出の課題」の3つのテーマで議論を進めた。

ソーシャルゲームの前線で活躍するクリエイター3人が、スマートフォンや海外展開などについて熱論を繰り広げた
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 ソーシャルゲームの今後に関する議論では、現在カードバトルが全盛となっている状況に対し、コンシューマーゲーム出身の土屋氏が、買い切りのコンシューマーゲームと、アイテム課金型のソーシャルゲーム、それぞれの面白さや収益を上げる上でのポイントの違いについて触れてその要因を説明。一方で今後はシンプルさだけでなく、ストーリーや攻略性などのこだわりを入れていくことが進化の方向性ではないかと話した。

 一方杉浦氏は、ソーシャルゲームの要素がカードバトルだけでなくより幅広い分野に取り入れられるものであり、他のジャンルにも広がると可能性を示している。

 次のテーマであるスマートフォンについては、できることが増え表現の幅が増す一方で、リッチ化による開発費の高騰が指摘されている。これについて今泉氏は、深刻な問題と捉えながらも、ユーザーのニーズが高機能だけにあるのではなく、ライトユーザーにリーチできるコンテンツを考えていくという方針を示した。一方杉浦氏は、ある程度表現力が高まることはクリエーティブの面で重要とする一方、運営するオンラインゲームで、グラフィックの高度化がユーザー満足度を高める要因につながらなかった自身の経験を話し、リッチ化の追及が必ずしもユーザーニーズにつながらないとした。