写真●LISA(サービス仮想化)ソリューション部で担当部長を務める佐藤輝幸氏
写真●LISA(サービス仮想化)ソリューション部で担当部長を務める佐藤輝幸氏
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 CA Technologiesは2012年9月21日、システム開発におけるテスト工程(結合テスト)を省力化するミドルウエア「CA LISA」を発表した。接続先となる実システムを模倣した仮想的なテスト環境を構築できる。10月17日に出荷する。価格(税別)は4680万円から(2013年3月31日までは2925万円から)。

 テスト対象のシステムから見て接続先となる、データベースやWebサービスなどの実システムを模倣する代理/仮想サーバーである。実システムの代わりに、リクエストに対してレスポンスを返す。レスポンスを返すタイミングもタイマーで設定できる。結合テストにおいて実システムが要らなくなるため、開発期間の短縮といった効果を得られる。

 リクエストとレスポンスは、ネットワークパケットをキャプチャーして取得する。やり取りしているパケットからテストに必要なデータを抽出し、実システム同様に振る舞えるようにする。転送データに個人情報などが含まれている場合にマスクするセキュリティ機能も搭載する。

 実システムにアクセスできない/存在しないなど、パケットのキャプチャーが難しい場合は、WDSL(Webサービス定義)などの定義ファイルを元にしてサービスを新規に自動生成できる。また、サーバーのトラフィックログや仕様書などを利用して、GUI画面上でノンプログラミングでサービスを定義/生成することも可能である。

 モジュールは、実際に代理サーバーとして機能するランタイムエンジンの「Virtual Service Environment」(VSE)と、パケットのキャプチャーやテスト内容の編集などを行うデザイナーソフトの「Workstation」で構成する。いずれも、Windows 7またはRed Hat Linux上でスタンドアロンで動作する。1台のVSEで複数のサービスを模倣できるが、複数のコンピュータで複数のVSEを同時に立ち上げることでVSEの負荷を分散できる。

 なお、CA LISAは、2011年に買収した米Interactive TKOの製品ラインである。国内においても、LICAを取り扱う準備のために、CA Technologies内に専任部署「LISA(サービス仮想化)ソリューション部」を設立している(写真)。今回、国内での出荷準備が整ったことを受け、初めてLISAを出荷する。