図研エルミックは2012年9月20日、NECのPC-9800シリーズで稼働している既存のアプリケーション資産を使い続けるためのコンピュータ「iNHERITOR II-A」(写真)を発表、同時に出荷した。PC-9800シリーズで使っている拡張ボードがそのまま使えるほか、エミュレーター上でソフトウエア資産を動作させるられる。価格(税別)は、130万円(税別)から。
汎用パソコン(IBM PC AT互換機、DOS/V機)と汎用OS(組み込み用のWindows Embedded 2009)を用いたコンピュータをベースとしつつ、エミュレーター機能を提供する専用のPCIボードと、PC-9800シリーズの拡張バスであるCバスを6スロット分搭載した。エミュレーターからは、Cバスを介してPC-9800シリーズの周辺機器を接続できる。
アプリケーションソフトウエア資産は、PC-9800シリーズのハードディスク(HDD)やフロッピーディスク(FDD)からWindowsファイルに移行/変換して利用する。このためのデータ移行ツールを用意している。Cバスと拡張ボード経由で既存の外付けHDD/FDDをつなぎ、ここからデータを吸い上げる。
エミュレーター機能は、Windows上で動作するソフトウエアと専用PCIボードの二つで実現する。ソフトウエアだけでなく専用チップを使うことで、PC-9800シリーズのハードウエアを忠実にエミュレーションできるとしている。ユーザーが操作するエミュレーターの画面は、Windowsの一つのアプリケーションウインドウである。
本体のサイズは幅420×高さ200×奥行300mmで、工場用のPC-9800シリーズである「FC-9801S/B」(幅420×高さ200×奥行345mm)などと同等。きょう体には、Cバススロット×6のほかに、パラレルポート×1、シリアルポート×1、などを搭載する。入力電源はAC100Vで、消費電力は50W。CPUにはCorei7を採用している。