電子機器・部品の市場調査会社、米IHS iSuppliは現地時間2012年9月19日、米Appleの新型スマートフォン「iPhone 5」について、16Gバイトモデルの推定製造原価が207ドルになるとする調査結果を公表した。Appleが公表している仕様やサプライヤーからの情報を分析し、iPhone 5を“仮想分解”して推測した。

 それによると、649ドルで販売されるアンロック版16Gバイトモデルの推定部品原価は199ドル。これに8ドルの製造コストを足し、製造原価は207ドルとなる。また、749ドルで販売されるアンロック版32Gバイトモデルの部品原価は209ドル、849ドルで販売される64Gバイトモデルの部品原価は230ドルと予測している。

 16Gバイトモデルの部品原価は199ドルだが、これは前モデル「iPhone 4S」の188ドルに比べ若干高い。NAND型フラッシュメモリーの価格はこの1年で下落したものの、ディスプレイと無線関連の部品がiPhone 4Sに比べて高くなったことが主な要因と分析している。

 iPhone 5のディスプレイは、液晶パネルにタッチパネル機能を内蔵するインセル型を採用している。これによりディスプレイの部品原価は、iPhone 4Sの37ドルから44ドルへと上昇した。なおIHS iSuppliは、iPhone 5のディスプレイサプライヤーは韓国LG Display、シャープ、ジャパンディスプレイ(産業革新機構・ソニー・東芝・日立製作所の中小型液晶合弁会社)の3社と推測している。

 このほか高速通信技術LTEへの対応で無線部品の原価が24ドルから34ドルへと上がった。一方でNAND型フラッシュメモリーは19.20ドルから10.40ドルに下がっている。

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