写真●XecoS v1.6をプリインストールしたアプライアンス「C1000」の外観
写真●XecoS v1.6をプリインストールしたアプライアンス「C1000」の外観
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 ストアゲートは2012年9月20日、スケールアウト型で動作しFTP/SCPなどの手段でファイルを出し入れするオブジェクトストレージソフトの新版「XecoS v1.6」(写真)を発表した。10月1日に販売を開始し、10月下旬から出荷する。新版では、REST APIやデータバックアップ/アーカイブ機能を追加したほか、CPUにAtomを搭載した省電力仕様の新アプライアンスを用意した。

 XecoSは、PCサーバー(x86)上で動作する、オブジェクトストレージソフトである。ファイル単位でデータを格納/検索/抽出する。文書ファイルやマルチメディアファイルなどの非構造化データの格納/アーカイブに適する。特徴は、複数のプロトコル/手段でファイルを出し入れできることと、スケールアウト型でストレージ容量やアクセス性能を拡張できることである。

 ファイルへのアクセス手段は、大きく四つある。(1)FTP/SFTPまたはSCPによるファイル転送、(2)独自のSocket API(C言語用ライブラリーを提供)、(3)REST API(HTTP GET/POST)、(4)ファイル操作用Webアプリケーション画面、である。このうち、(3)のREST APIは、今回の新版で新たに搭載した機能である。APIの種類を増やしたことで、業務アプリケーションや運用管理ソフトにストレージアクセス機能を組み込みやすくなった。

 スケールアウト型で動作する。最小3ノードから最大64ノード(推奨構成の最大値)まで、単一の名前空間を持った論理的に1台のオブジェクトストレージとして運用できる。ノード間接続(インターコネクト)で使うプロトコルはTCP/IP。ファイルは、格納場所などのメタデータを含んだオブジェクトの単位で格納する。このオブジェクトの単位で、複数ノードに多重化(標準では3多重、最小2多重~任意のN多重)して保存する。

プル/プッシュ双方のバックアップ/アーカイブ機能を新搭載

 新版ではまた、データバックアップ/アーカイブ機能を新規に搭載した。クライアントPCのデータについては、Windows XP以降でスタンドアローンで動作するデータバックアップソフトを用意した。このソフトを使えば、XecoSのオブジェクトストレージに対して、ファイル/フォルダーの差分/フルバックアップやスケジュールバックアップができる。

 一方、NASファイルサーバーのデータについては、XecoSからCIFS/NFSでバックアップ対象のディレクトリーをマウントし、能動的にプル型でデータを取得する。各種データバックアップ(差分/フル、スケジュール)のほか、バックアップ後に元データを消去するアーカイブモードも利用可能である。

Atomサーバー使った省電力の廉価アプライアンスを追加

 新版では、XecoSをプリインストールしたアプライアンスの新機種「C1000」も用意した。新機種はハードウエアスペックを簡素化しており、CPUには省電力のAtomを採用した(既存機種のR1000とR2000はXeonを搭載している)。C1000の大きさは、幅220×高さ130mmで、19インチラックに搭載した場合、横に2台収容可能で、高さは約3Uを消費する。

 価格(税別)は、ソフトウエア単体が、1ノード当たり32万円。アプライアンスは、新機種のC1000の場合、3ノード(SATA 1Tバイト×1台×3ノード、容量3Tバイト)の最小構成で120万円。64ノード(SATA 3Tバイト×5台×64ノード、容量960Tバイト)の最大構成で3400万円。