NTT(持ち株会社)は2012年9月18日、米国のITコンサルティング会社、Centerstanceを買収すると発表した。Centerstanceは米国で業務プロセスの分析やクラウドへの移行支援を専門に手掛ける。NTTは北米でクラウド事業の展開を強化する方針を打ち出しており、今回の買収で経営層にアプローチする体制を整える。10月末までにCenterstanceの全株式を取得する予定で、買収額は40億円弱とみられる。

 Centerstanceはセールスフォース・ドットコム関連のインテグレーションを得意としており、米国で数少ない「Salesforce.comプラチナパートナー」の1社。2001年の会社設立から2000件以上のプロジェクトに携わった実績があるという。本社をオレゴン州に構え、従業員は約100人。2011年の売上高は1270万ドル(約10億円)。買収完了後は社名をNTT Centerstanceに変更する。

 NTTグループは南アのディメンションデータ、米キーン、米オプソースと相次ぎ買収を進め、グローバル事業の拡大を図っている。顧客基盤は海外で1万社を超え、2011年度の海外売上高は116億米ドルに伸びた。今後は各社の連携をさらに深め、北米では統一ブランドによるクラウドサービスの拡販を描く。今回の買収により、システムやネットワークの構築や運用管理だけでなく、コンサルティングも含めてワンストップで提供する体制が整うことになる。