写真1●当初計画を前倒しして9月からLTEサービスを開始
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 KDDIは2012年9月14日、iPhone5の発売に合わせて、9月21日からLTE商用サービスを開始すると発表した。当初KDDIではLTEサービスを2012年12月から開始するとしていたが、それを3カ月前倒しした形になる(写真1)。サービス名称は「au 4G LTE」であり、サービス開始当初は最大75Mビット/秒の速度。対応機種は当初はiPhone 5の1機種となる。

 料金は基本使用料である「LTEプラン」が月額980円、パケット定額サービス「LTEフラット」が月額5985円(7Gバイト以降は通信速度が128kビット/秒に制限)、ネットやメールを利用するためのプロバイダーサービス「LTE NET」が月額315円。オプションとして月額525円でテザリング機能が利用可能になる。通常速度で利用できる通信量も500Mバイト追加される。なおLTEだけでなく「3Gを利用した場合でもテザリングが可能」(石川雄三取締役執行役員専務)という。

 なお上記は正規のLTEサービスの料金だが、iPhone5向けには特別料金が設定されている。パケット定額サービスは最大2年間で月額5460円に、テザリング利用料も最大2年間無料となっている。

 サービス開始当初のエリアは東京23区、および政令指定都市を中心とした全国主要エリア。ただしすべてのエリアで最大75Mビット/秒のサービスを利用できるわけではなく、「最初の段階では最大37.5Mビット/秒のエリアのほうが多い」(石川専務)という。

2013年前半に112.5Mbpsに増速、2013年度中に150Mbpsサービスも

 会見の中で石川専務は、同社の今後の周波数戦略を明らかにした。同社が保有する帯域は、2.1GHz帯が20MHz幅×2、1.5GHz帯が10MHz幅×2、800MHz帯が15MHz幅×2である(関連記事)。メインバンドは2.1GHz帯と800MHz帯であり、まずは9月の時点で先行して2.1GHz帯で10MHz幅×2をLTE向けに確保し、LTEサービスを開始する。その後、800MHz帯、1.5GHz帯でそれぞれ10MHz幅×2も使ってLTEサービスを展開する。

 石川専務は「実はこれまで2.1GHz帯では、隣接するPHSとのガードバンドのために15MHz幅×2しか使えなかった。2012年6月からこのガードバンドが不要になったことで、LTE向けの帯域のやりくりがしやすくなった」と話す。

写真2●2013年前半には最大112.5Mビット/秒に増速
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 石川専務は今後、2013年の前半ではLTEサービスを112.5Mビット/秒に増速していくことを明らかにした(写真2)。2.1GHz帯で15MHz幅×2に増やしていくと見られる。さらに2013年度中にはカテゴリー4のLTE端末を導入し、最大150Mビット/秒までLTEサービスの速度を上げる考えも示した。