図●米調査会社IHS iSuppliによる2012年下半期における世界のスマートフォン出荷台数の予測(同社発表資料より引用)
図●米調査会社IHS iSuppliによる2012年下半期における世界のスマートフォン出荷台数の予測(同社発表資料より引用)
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 市場調査会社の米IHS iSuppliが現地時間2012年9月11日に公表した予測によると、米Appleの新型スマートフォン「iPhone 5」が市場投入されることで、2012年下半期の世界のスマートフォン出荷台数は3億4650万台となり、同年上半期の2億7230万台から27%増加する見通しだという()。

 AppleのiPhoneは、2011年の第4四半期に四半期ベースで過去最高の3704万台を販売し、その後は、今年第1四半期の3506万台、第2四半期の2602万台と減少傾向にある。これはiPhoneが新モデル発売前の減速サイクルに入ったため。IHS iSuppliによると消費者は毎年この時期に製品を買い控え、新モデルが出ると急いで買いに走り、iPhoneの需要は一気に高まる。これと同じことがiPhone 5にも起こるとIHS iSuppliは見ている。

 同社によると、iPhoneの出荷台数減少分がスマートフォン市場全体に及ぼす影響は約1%。今年第1四半期に1億3700万台だった世界出荷台数は第2四半期に1億3500万台に減少したが、iPhone 5の登場で市場はプラス成長へと回復するという。

 米メディアによると、Apple製品の市場動向に詳しい米Piper JaffrayのアナリストであるGene Munster氏は、Appleが9月下旬の10日間で600万台から1000万台のiPhoneを販売すると予測しているという。これは「消費者エレクトロニクス製品の歴史で過去最大規模の買い替え需要」(同氏)であり、これにより2012年第3四半期のiPhoneの販売台数は2600万~2800万台となり、その後の第4四半期も好調に推移すると同氏は見ている。

 また、J.P. Morganのチーフエコノミスト、Michael Feroli氏も、iPhone 5の売上高が第4四半期の米国内総生産(GDP)を最大0.5ポイント押し上げると試算するなど、期待が高まっているようだ。

 米IDCがまとめた2012年第2四半期のiPhoneの市場シェアは「16.9%」で、OS別順位は第2位。米GoogleのAndroid OSを搭載する端末のシェアが急拡大したため、iPhoneのシェアは1年前の18.8%から低下した。

 ただし、iPhoneはBlackBerryやSymbian、Windows Phoneなど3位以下の全OSの合計出荷台数を上回っており、その地位は盤石とIDCは指摘している(関連記事:世界スマートフォン市場、4~6月期のOS別シェアはAndroidが68%、iOSが17%)。

[IHS iSuppliの発表資料]

■変更履歴
当初、2段落目で今年(2012年)第1四半期のiPhoneの販売台数について「3704万台」と記述していましたが、正しくは「3506万台」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/09/13 12:25]