SCSKは2012年9月12日、システム開発プロジェクトを支援するクラウドサービス「PrimeCloud for Developers」を発表し、同日提供を開始した。プロジェクト管理ソフトをSaaS形式で提供するサービスと、開発環境となる仮想サーバーを調達/配備するサービス---、以上二つの独立したサービスで構成する。

 サービスの一つ「プロジェクト管理環境」は、オープンソースのプロジェクト管理ソフト「Redmine」をSaaS形式で提供するサービスである。サービスインフラとしてAmazon EC2を利用している。特徴は、Redmineの設定代行やアカウント管理、ヘルプデスクといったサポートをサービスメニュー化していること。

 プロジェクト管理環境の料金メニュー(税別)は、以下の通り。基本サービスとして、Redmineのヘルプデスク窓口とアカウント管理が含まれており、料金は30ユーザーまで月額9万円。次の70ユーザー(30~100ユーザー)までは1ユーザー当たり1000円。その次の200ユーザー(101~300ユーザー)までは1ユーザー当たり500円。オプションとして、プロジェクトごとのRedmineの設定サービスがユーザー数×1000円、VPN接続サービスが初期費用30万円、月額4000円から。

 なお、Redmineとは、Ruby on Railsで開発されたオープンソースであり、プロジェクトが抱える案件やファイル/ソースコードをWebブラウザーから共有できる。提供する機能は、チケットベースでバグ案件や仕様変更案件を管理するワークフロー機能、ソースコードのバージョン管理機能、プロジェクト全体の進ちょくを管理してグラフで可視化する機能、などである。

仮想サーバーの調達/配備も新規にメニュー化

 もう一つのサービス「ハイブリッドクラウド開発環境」は、開発環境となる仮想サーバーを自由に調達/配備できるようにするサービスである。仮想サーバーの調達/配備を自動化するクラウド運用管理ソフト「PrimeCloud Controller」を、SaaS(Amazon EC2を利用)またはオンプレミスソフトとして提供するほか、PrimeCloud Controllerで調達可能なIaaS型の仮想サーバーを、SCSKが窓口となって提供する。

 ハイブリッドクラウド開発環境の料金メニューは、以下の通り。PrimeCloud Controllerのソフトウエアライセンス(SaaSまたはオンプレミス)やヘルプデスク窓口を含んだ基本サービスが、初期費用30万円、月額6万5000円から。PrimeCloud Controllerで調達/配備する仮想サーバーは、各社のIaaSサービスからSCSKを介して、1台当たり月額8000円からの価格で利用できる。オプションで、仮想サーバーの構成(OS、ハードウエア仕様、ミドルウエア)をカスタマイズするサービスが1件当たり3万円から、ウイルス対策サービスが1台当たり1万円。

 なお、PrimeCloud Controllerは、Amazon EC2互換のクラウド運用基盤(基盤ソフトのEucalyptusを含む)と、基盤ソフトのCloudStack(CloudStackを利用したIaaSサービスを含む)をともに管理できるクラウド運用のフロントエンドソフトである。PrimeCloud Controllerを使えば、GUI上の操作だけで仮想サーバーを利用した開発環境を構築できる。

 なお、SCSKは、ハイブリッドクラウド開発環境と同一のサービスを以前から提供してきた。今回、開発者向けにPrimeCloud for Developersというサービスをうたって、Redmineとともに新規にサービスメニュー化した形である。