ソフト開発会社のオプティムは2012年9月10日、企業内ネットワークにある複合機やプリンター、通信機器などのトラブルを遠隔地でサポートできるシステム「Optimal Remote Ubiquitous」を開発したと発表した。設定や操作画面をWebブラウザーで閲覧できるあらゆる機器が対象。遠隔地にいるオペレーターがユーザーと機器の画面を共有しながら、トラブルの究明や解決を進めることができる。

 Windowsの「リモートアシスタンス」機能のように、遠隔地の端末を直接操作してトラブルを解決できるような機能を、IP通信に対応した機器で幅広く実現するのは世界で初めてという。オフィス機器やIP-PBX、ルーターなど通信機器のほか、家庭向けではインターネット接続テレビやゲーム機なども操作対象にできる。企業内LANにある機器を探索、特定する技術や、機器と安全に通信できる技術などを新たに開発したといい、これらの技術の特許申請を済ませた。

 企業内で利用する場合は、一般にはサポートを受けるユーザーのPCに専用ソフトを導入する必要がある。専用ソフトがネットワーク内の機器を探索し、通信プロトコルやネットワーク上での名称などの特徴から機器を特定。機器の情報をオペレーターの端末に送ったり、操作対象の機器との通信を仲介したりする。ユーザーのPC画面上では、オペレーターの操作時にユーザーに許諾を求めたり、オペレーターと操作画面を共有したりできる。

 Optimal Remote UbiquitousはIP機器の遠隔操作に加えて、PCの遠隔操作機能も標準で搭載する。まずはITサポート業務の受託会社に売り込んでおり、年内の提供開始を見込む。従来から提供するPC向けシステムは、オペレーター1席あたり年額18万円からとSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型で提供しているが、本システムは提供先企業と収益を分配する事業モデルを導入する考え。また、オフィス機器や通信機器のメーカー、エンドユーザーのサポート業務を効率化したいユーザー企業の需要も開拓できるという。