防衛省は2013年度予算の概算要求を公表し、サイバー攻撃対策に212億円を要求した。柱となるのが「サイバー空間防衛隊」(仮称)の創設である。このほかサイバー攻撃演習に関わる技術の研究開発費や、防御・分析能力を高めるための機器導入費用も計上した。

 2013年度に創設するサイバー空間防衛隊は、自衛隊や防衛省に対する攻撃を防御するための専門組織とする。既にある「自衛隊指揮通信システム隊」と、「陸海空」の各自衛隊に分散していたサイバー攻撃対策の組織を集約したうえで、陣容も強化する方針。防衛隊の創設を機に、自衛隊や防衛省が運用するネットワーク監視体制を大幅に強化するなど、運用基盤の充実・強化に133億円を投じる計画だ。

 サイバー攻撃への対応を巡っては、警察庁も2013年度に「サイバー攻撃対策隊」(仮称)を創設する方針を打ち出した。政府機関や民間企業へのサイバー攻撃に対処する組織で、初動の防御対応や捜査に従事する。主要な都道府県警察に設置する考えだ。