図●携帯電話大手3社の純増数推移
図●携帯電話大手3社の純増数推移
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 携帯電話各社は2012年9月7日、2012年8月末時点の携帯電話の契約数を発表した。新規契約から解約を差し引いた純増数は、ソフトバンクモバイルが21万7200件と8カ月連続の首位を維持した()。2位のKDDI(au)は16万1900件、3位のNTTドコモは8万1200件だった。

 ソフトバンクモバイルは米アップルのiPhoneやiPadに加え、「かんたん携帯 108SH」や「PANTONE 5 107SH」(放射線測定機能を備えたスマートフォン)、「PANTONE 4 105SH」(プラチナバンド対応フィーチャーフォン)などの販売が好調。

 KDDIは期間中に実施していたキャンペーンの効果が大きかったとしている。iPhone向けに展開する「WE ARE! auでiPhoneキャンペーン」(関連記事、9月末まで延長)では、MNPによる乗り換えで2万1000円のキャッシュバックなどを実施したほか、5000円のキャッシュバックなどを受けられる「auスマートバリューズ入団キャンペーン」(8月末終了)も展開していた。

 NTTドコモも、家族で購入すると端末1台当たり1万500円値引く「家族セット割」などを7月から展開して拡販していたが、振るわなかった。同社は「法人の大口解約が響いた」としているが、純増数は前年同月の18万2100件に比べて半分以下の水準。同社は夏モデルのスマートフォンで他社の倍以上のラインアップをそろえたが、品揃えの多さで巻き返しとはならなかった。一部の機種で在庫切れも生じたが、「特に大きな影響はなかった」としている。

 番号ポータビリティ(MNP)による転入出状況は、KDDIが3万4500件、ソフトバンクモバイルが1万500件の転入超過、NTTドコモが4万3300件の転出超過だった。MNPの転入超過数ではKDDIが11カ月連続の首位を維持した。NTTドコモの転出超過数は昨年10月のiPhone 4S登場以前の水準に近くなってきたが、iPhone新版による買い控えが影響している可能性もある。

 携帯大手3社以外の純増数はウィルコムのPHSが3万6100件、2月にAXGPの商用サービスを始めたソフトバンク系のWireless City Planningが7万600件、KDDI系のUQコミュニケーションズのWiMAXが24万5100件だった。UQコミュニケーションズは昨年12月以降、9か月連続で15万件以上の純増と好調。6月と7月に続き、純増数で実質1位となっている。