イー・アクセスは2012年9月6日、5日午後6時51分から午後11時34分にかけて、12都府県で携帯電話の音声通話とデータ通信が利用しづらい状況に陥った障害の原因を公表した。保守作業時の人的操作ミスとソフトウエアの不具合が重なった。影響数は最大約27万人としている。

 同社は「ネットワークオペレーションセンター」(関連記事)で携帯電話網を遠隔監視しているが、5日の保守作業時に基地局の状態を調べるコマンドのパラメータを間違えて設定してしまったという。パラメータを誤ったコマンドはシステム側ではじく仕組みとしていたが、ソフトウエアの不具合で有効に機能せず、そのまま実行されて「基地局が異常な状態に陥ってしまった」(同社)。同社は影響を受けた基地局の数を非公表としているが、12都府県のある程度まとまった単位の基地局に対して同コマンドを実行してしまったとみられる。

 最終的に問題の基地局を遠隔から再起動させることで対処したが、原因の究明に手間取り、復旧までに約5時間弱を要する結果となった。

 イー・アクセスは今後の再発防止策として、(1)保守作業方法の事前チェック体制の強化、(2)作業プロセス上のチェック工程の改善、(3)ソフトウエアの不具合の改修の3点を挙げた。(1)と(2)について既に対処済みで、(3)についても速やかに実施するという。