写真●ThinAppによるポータブル化の概念図(出典:双日システムズ)
写真●ThinAppによるポータブル化の概念図(出典:双日システムズ)
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 双日システムズは2012年9月4日、本来はインストールが必要なWindowsアプリケーションをインストールせずに使えるようにするSIサービス「アプリケーション仮想化サービス」を発表、同日受注を開始した。事前のインストールが不要なため、異なるバージョンのアプリケーションをDLLを競合させることなく同時に利用できるようになる。

 要素技術として、米VMwareのデスクトップ仮想化(VDI)ソフト「VMware View」が備えるソフトウエア機能「ThinApp」(写真)を利用する。本来はOSへのインストールが必要なアプリケーションを、OSと切り離してポータブル化する。レジストリやファイルシステムを仮想化した環境とともに、アプリケーションを単一の実行形式ファイルに固める仕組み。ポータブル化によってアプリケーションのネットワーク配信も可能になる。

 インストールせずに動作するため、異なるバージョンのWebブラウザーやオフィスソフトなどを、DLLをコンフリクト(競合)させることなく同時に利用できる。OSの差異も吸収可能であり、例えばWindows XPでなければ動作しないアプリケーションを、Windows 7上で動作させることができる。

 実際に、双日システムズは社内事例として、連結会計システムの移行にThinAppを利用した。ディーバが販売するパッケージ「DivaSystem」のバージョンアップに伴い、DivaSystemクライアントの新旧バージョンを長期間にわたって並行稼働させる必要があったという。ここで得られたノウハウを生かして、ThinApp適用サービスをメニュー化した。

 システム構築サービスの価格は、ポータブル化するアプリケーションを100ユーザーで利用する場合に、システム開発期間2週間程度で、ThinApp(VMware View)のライセンス込みで200万円~500万円程度という。サービスの販売目標は、2012年度に2億円としている。なお、ThinApp機能を含むVMware View 5 Premier Editionのライセンス費用は、同時接続1ユーザー当たり3万1000円程度である。