写真1●「山手線トレインネット」の実験車両。公式Webサイトでも走行地点を確認できる(写真提供はJR東日本)
写真1●「山手線トレインネット」の実験車両。公式Webサイトでも走行地点を確認できる(写真提供はJR東日本)
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写真2●スマートフォンに各号車の乗車率・車内温度を表示できる
写真2●スマートフォンに各号車の乗車率・車内温度を表示できる
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 東日本旅客鉄道(JR東日本)は2012年9月3日から、東京都中心部を走る山手線の車内で無線LAN(Wi-Fi)によるインターネット接続サービスや独自の情報提供サービスを受けられる実験車両の運行を始めた(写真1)。当初は山手線1編成(11両)で、11月上旬以降は2編成(計22両)に増やし、2013年1月中旬まで実験を行う。その後、利用状況を検証し、本格的な導入の可能性を探る。実験は2011年10月にも実施しており、今回が2回目。

 実験サービス名は「山手線トレインネット」。JR東日本フロンティアサービス研究所が開発した「infoPiC(インフォピック)」と呼ぶシステムを車両に搭載する。該当車両内には無線LANアクセスポイントが設置されており、WiMAXルーターを通じてインターネットと接続する。

 乗客は、iOS/Android OSを搭載したスマートフォン/タブレット端末に専用アプリ(App Store/Google Playから無料ダウンロード可能)をインストールしておけば、トレインネットに接続して、列車内でWebサイト閲覧などインターネット上の各種サービスを利用できる。

 加えて、独自のコンテンツも提供する。首都圏各路線の遅延・運転見合わせ情報や、各駅までの所要時間など、山手線車内のドア上部にあるディスプレーに表示されるものと同様の情報をスマホ/タブレットにも表示。各号車の乗車率や車内温度もリアルタイムで表示(写真2)。これを見て比較的空いている車両を探すような使い方もできる。

 さらに、沿線のニュース記事や、駅構内(エキナカ)店舗のキャンペーン・クーポン情報なども配信する。移動中の短い時間で読める電子書籍・コミックの紹介記事も配信し、気に入った電子書籍を購入することもできる。

 電子書籍関連のサービスは、大日本印刷グループが提供する。電子書籍サイト「honto」(関連記事)のトレインネット限定版を用意し、車両内での電子書籍の販促を狙う。大日本印刷グループは、全日本空輸(ANA)と日本ユニシスが始める空港ラウンジ向け電子雑誌サービス(関連記事)にも参画しており、公共交通機関における電子書籍配信を強化している。

[山手線トレインネット公式Webサイト]
[JR東日本の発表資料(PDF)]
[大日本印刷の発表資料]