中国検索大手のBaidu(百度)がAndroidスマートフォン向けモバイルブラウザーを現地時間2012年9月3日にリリースしたと、複数の米メディア(Wall Street JournalPCWorldCNET News.comなど)が報じた。

 同モバイルブラウザーは新エンジン「T5」を採用し、競合ブラウザーより最大20%速いという。Baiduは2012年末までに、中国で販売されるAndroidスマートフォンの80%に同ブラウザーが採用されることを目指す。

 Baiduは中国検索エンジン市場で独占的地位を維持しているが、インターネットアクセスがますますスマートフォン経由に移行するとともに、他の検索エンジンやSNSを使用するユーザーが増えつつある。Baiduはデスクトップ向け検索エンジン市場では80%のシェアを占めているものの、モバイル検索市場におけるシェアは2011年末時点で35%にとどまる。

 Baiduはモバイルブラウザーを提供することによって、より多くのモバイルインターネットユーザーのトラフィックを確保したい考えだ。新モバイルブラウザーは直接BaiduのWebサイトからAPKファイルとしてダウンロードする。中国語版と英語版があり、「Android 2.2」以降で使用可能。

 また同社は、クラウドコンピューティング分野に注力する方針も明らかにした。約100億元を投じ、クラウドコンピューティングセンターを開設する。個人ユーザーやアプリケーション開発者向けにオンラインストレージなどの各種サービスを提供し、自社モバイルサービスの利用促進を図る。