NECは2012年8月31日、大量データの高速検索に向けて、ハードウエアを使ったデータ検索用半導体チップをSQL言語だけで設計/実装できるシステムを開発したと発表した。これにより、ハードウエア回路に詳しくないデータ分析担当者が回路を実装できるようになる。2014年までに、サーバーなどと組み合わせたシステム製品として提供する予定。

 今回発表したのは、回路をプログラミングによって組み替えられる半導体チップであるFPGA(Field Programmable Gate Array)を利用したシステム。前提として、C言語からFPGAの回路を自動生成するツール「CyberWorkBench」を利用する。今回、CyberWorkBenchの前処理(プリプロセス)を担うソフトウエアとして、データ検索用のSQLを、FPGA設計用に特化したC言語に変換するプログラムを用意した。

 CyberWorkBenchによって、半導体チップの設計に詳しくないソフトウエア開発者が、C言語を使って自動的に回路を設計できるようになった。今回は、これをさらに進めて、C言語に詳しくないデータ分析担当者が、SQLだけで回路を設計できるようになる。NECによれば、SQLをC言語に変換するツールはこれまでにもあったが、FPGA回路設計に特化したC言語に変換する点が新しいという。

 今回のシステムを使うと、これまで数カ月が必要だったハードウエアの開発期間を数時間に短縮できるという。これにより、データ分析担当者がデータ分析用のSQLを新規に作成すると、数時間後には自動的にFPGA回路が生成され、動的に検索処理を実行できるようになる。こうしたシステムを、サーバー機やミドルウエアを含めたシステム一式として提供するという。