写真●新製品をアピールするトレンドマイクロの大三川彰彦取締役副社長と、モデルの山本美月さん
写真●新製品をアピールするトレンドマイクロの大三川彰彦取締役副社長と、モデルの山本美月さん
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 トレンドマイクロは2012年8月30日、パソコン用セキュリティソフトの新版「ウイルスバスター クラウド」(関連記事)と、Android端末用の新版「ウイルスバスター モバイル for Android」(関連記事)を発表した(機能の詳細はそれぞれ関連記事を参照)。

 新製品発表会の場で、トレンドマイクロの大三川彰彦取締役副社長(写真)は、記者の質問に答える形で、ライバル企業であるマカフィー(McAfee)製品や過去の自社製品で発生したパターンファイル不具合(関連記事)に言及した。「我々も2005年に大きな事件を起こしたことがある」(当時の記事)と前置きしたうえで、「その時の反省を踏まえて社内の検証体制を強化し、配信前のテストをかなり厳格にやっている。社会インフラを預かっているという責任感を持って取り組んでいるつもりだ」と話した。

 一方で大三川副社長は、パターンファイル配信によって不特定多数のパソコンに変更を加える行為自体に、一定のリスクがあるという認識を示した。「近年はリスクを軽減するために、お客様のパソコンにパターンファイルを送る頻度を極力少なくする方針で、独自に技術開発を進めてきた。その成果を今回の製品にも反映している」と説明した。

 具体的には「スマートプロテクションネットワーク(SPN)」と呼ぶ技術基盤の説明に多くの時間を割いた。インターネット上の“クラウド側”にセキュリティ管理に必要なデータの多くを置くことで、パソコン側の変更を極力減らす仕組みだ。こうした技術的な基本思想において、競合他社と差異化していることを強調した。

■変更履歴
タイトルおよび本文の第2段落を、発表会における記者と大三川副社長とのやり取りに、より忠実な内容に修正しました。本文は修正済みです。[2012/08/31 21:50]