写真1●2012年9月7日に発売する「ウイルスバスター モバイル for Android」のパッケージと画面
写真1●2012年9月7日に発売する「ウイルスバスター モバイル for Android」のパッケージと画面
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写真2●不正アプリ警告画面の例
写真2●不正アプリ警告画面の例
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写真3●新機能について説明するトレンドマイクロの石橋達司プロダクトマネージャー
写真3●新機能について説明するトレンドマイクロの石橋達司プロダクトマネージャー
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 トレンドマイクロは2012年8月30日、Androidスマートフォン/タブレット端末用セキュリティソフトの新版「ウイルスバスター モバイル for Android」(写真1)を発表した。9月7日から店頭やオンラインストア、Google Playで発売する。今後1年間に、全世界で450万ユーザーの獲得を目指す。

 日本向けオンライン直販での価格は1年版2980円、2年版5480円(税込み)。対応OSはAndroid 2.2/2.3/3.0/3.1/3.2/4.0である。30日間は無料で試用できる。「ウイルスバスター モバイル for Android」の旧版を購入済みの利用者は、9月7日以降に最新版にアップデートでき、ライセンス契約期間内は追加料金なしで使える。

 新製品の最大の特徴は「プライバシースキャン」と呼ぶ新機能。Androidアプリケーションのダウンロード/インストール時に、そのアプリのリスクを「連絡先情報を利用される」「メールアカウント情報を利用される」「位置情報を利用される」といった区分で分かりやすく表示したり、警告を出したりする。インストール済みのアプリのリスクをスキャンすることもできる(写真2)。

独自の不正アプリDB活用

 スキャン時には、トレンドマイクロがインターネット上で構築・運用している「Trend Micro Mobile App Reputation(MAR)」というデータベースを使う。トレンドマイクロは毎日5000件程度のアプリを収集し、必要に応じて解析したうえで、その評価に関するデータをMARに登録している。ウイルスバスター利用者のAndroid端末でアプリがインストールされると、自動的にMARのデータベースに接続し、そのアプリのリスク情報を取得・表示する仕組みだ。

 Androidアプリは誰でも自由に開発でき、公式アプリサイトのGoogle Playだけではなく、様々な事業者のアプリマーケットや、個人のWebサイトなどで配信されている。アプリの開発と流通が自由化されている分、セキュリティ上の脅威になる不正アプリや、違法に個人情報を収集しようとするアプリが出回りやすい。トレンドマイクロの新製品はこうした問題に対応した。

 一方で米アップルのiOS搭載端末(iPhone/iPadなど)向けセキュリティソフトの製品化は予定していないという。iOS用のアプリはアップル公式の「App Store」からダウンロードするのが原則。トレンドマイクロの石橋達司プロダクトマネージャー(写真3)は「App Store掲載時のアプリ審査はかなり厳格に行われている。そのため、現時点では個人情報を詐取するような不正アプリはあまり出回っておらず、セキュリティ上の脅威は小さい。ただし、Webページで個人情報を入力させる『フィッシング詐欺』にはiOSでも警戒が必要だ」と説明した。

 法人がAndroidスマートフォン/タブレットを導入したり、BYOD(私物デバイス活用)を認める場合に、セキュリティ確保に苦慮するケースは多い。ウイルスバスター モバイル for Androidは個人向け製品だが、「法人向けの需要があることは認識しており、近々に、MARなどの技術をベースにした法人向け製品を発売したい」(石橋プロダクトマネージャー)という。