「SAPは5万台以上のモバイル機器を利用する世界最大級のモバイルユーザー企業。Androidの約半分はBYOD(私物デバイス活用)」(SAPジャパン グローバルIT シニアマネージャーの佐藤歩氏)。2012年8月30日、「Enterprise Mobile Management Forum 2012 Summer ~ニーズが加速するBYODの最適解を探る~」(主催:日経コンピュータ、日経コミュニケーション、写真1)が開催され、モバイルデバイス活用の事例やノウハウが紹介された。
震災の直後にBYODを緊急導入:SAP
SAPジャパンの佐藤氏(写真2)と同グローバルIT コンサルタントの八代晃乙氏は「世界最大級のモバイル活用ユーザーであるSAPのBYOD活用実態について」と題し講演、冒頭の発言はその際のものだ。
同社は約1万8000台のBlackBerry、1万7000台以上のiPad、1万3000台以上のiPhone、2000台以上のAndroidを利用している。総計で5万台以上になる。Windwos Phoneもファーストパイロットユーザーだ。BYODは2011年の東日本大震災直後に日本で緊急導入。2011年秋からアジアでもBYODを導入し、世界に広げていった。BYODだけでなく、会社支給デバイスの利用も継続しており、従業員が選択できるようになっている。
セキュリティに関しては最低限必要なセキュリティ要件を定義し適用した。パスワードルールの強制や、保存データの暗号化などだ。同社のモバイル機器管理ツール「SAP Afaria」を使用してモバイル機器を管理している。
ユーザーサポートはコミュニティモデルを採用した。すなわちWikiを立ち上げ、ユーザー自身がノウハウなどを書き込めるようにした。フォーラム機能も提供、ユーザー同士でサポートできる場を設けた。
コストについては定額プランを採用。また国際ローミングのガイドラインを設けた。
さらに「BYODはIT部門だけではなしえない」(佐藤氏)と説明。各国のSAP支社の法務、人事、経理部門と連携しBYODを導入したという。