サイボウズは2012年8月30日、時間・場所の制約を取り払った働き方の試験運用を実施中であると発表した。実施期間は2012年8月26日日曜日から9月15日土曜日の3週間。サイボウズはこの働き方を「ウルトラワーク」と呼んでいる。

 今回の試験の目的は、「定められた勤務時間帯で働く」あるいは「自社オフィスで働く」といった企業における一般的な時間と場所の制約を取り払いつつ、従業員個人および組織の生産性を向上させる働き方を確立すること。「早朝に自宅で集中して仕事を進める」「育児の合間に仕事をする」「病院の診療時間の前後で仕事する」「深夜に自宅で米国の顧客とWeb会議をする」「遠方から通勤している社員同士が同僚の自宅に集まって仕事をする」といった状況を想定しているという。

 混乱が起きないように一定の運用ルールを設ける。「業務時間中は連絡が取れるようにする」「スケジュールを前日までに登録する」などである。試験はカスタマーサポート以外の全部署で実施し、ウルトラワークによる業務効率の変化を観察する。

 社員同士のコミュニケーションには、同社が顧客に提供しているクラウドサービス「cybozu.com」を使用する。cybozu.com上ではグループウエアなど各種の情報共有アプリケーションが稼働している。同社は通常の業務においてもこれらを使用しているが、本試験では情報共有アプリケーションをウルトラワークにおいてどう使うかという点の検証も含めている。

 近年の社会情勢の変化により、日本企業は育児や介護を抱えるビジネスパーソンをどうサポートするかという課題に直面しつつある。また、海外企業やベンチャー企業など勤務スタイルの異なる企業と協業する機会も増加しつつある。サイボウズは本実験を通じて、多様な働き方を許容した場合の業務運営方法の確立と、業務の効率化や雇用確保の可能性を探っていくという。