富士通は現地時間2012年8月29日、次世代UNIXサーバー向け16コアプロセッサ「SPARC64 X」の概要を、米国カリフォルニア州で開催されたシンポジウム「Hot Chips 24」で発表した(図1、図2)。データ処理性能は288GIPS(28万8000MIPS)。
業務サーバー用向け、HPC用途向けにそれぞれ専用回路を備えたのが特徴。既に設計、開発済みで、研究所で動作しているという。このチップを搭載するUNIXサーバーの出荷計画は公表していない。
28nmルールのCMOSプロセスで製造する。動作周波数は3GHz。コア数は16個で、2011年4月に発表したUNIXサーバー用のプロセッサ「SPARC 64 VII+」の4倍である。1コア当たり2スレッド動作するので、計32スレッドを同時に処理できる。インタフェースはDDR3、PCI Gen3のほか、プロセッサ同士を直に接続できる専用インターコネクトを備える。コアが共有するL2キャッシュは24Mバイト、メモリー帯域幅は102ギガバイト/秒。
業務サーバー向け機能として、仮想化に対応するほか、「ソフトウエア・オン・チップ」と呼ぶアクセラレーション機能を新たに備えた。10進演算や暗号化処理のほか、データベース管理ソフトウエアの処理を加速させる専用回路を設けた。
HPC向け機能として、スパコン「京」のプロセッサ向けに開発した拡張命令セット「HPC-ACE」を搭載。HPC用途で重視される浮動小数点演算性能は382ギガフロップスで、2011年11月に発表したスパコン用プロセッサ「SPARC64 IXfx」の1.6倍に高めた。
当初、第1段落で「288GIPS(2万8800MIPS)」と記述しておりましたが、「288GIPS(28万8000MIPS)」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/08/30 20:15]