写真1●StorageTek SL150 Modular Tape Libraryの外観(ベースユニット)
写真1●StorageTek SL150 Modular Tape Libraryの外観(ベースユニット)
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写真2●タッチパネル型液晶ディスプレイ
写真2●タッチパネル型液晶ディスプレイ
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写真3●ビジネス推進本部ストレージ担当ディレクターの阿部恵史氏
写真3●ビジネス推進本部ストレージ担当ディレクターの阿部恵史氏
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 日本オラクルは2012年8月30日、テープライブラリー装置のエントリー機種「StorageTek SL150 Modular Tape Library」(写真1)を発表、同日出荷を開始した。LTO-5テープを最大300巻(900Tバイト)まで拡張できる。価格(税別)は、ドライブ1台、スロット30巻の最小構成で、63万4022円。

 データバックアップ/アーカイブ用途のテープライブラリー装置である。各種のバックアップソフトから利用する。多数のドライブ(1~20ドライブ)と多数のテープカートリッジ(30~300巻)を同時に使ってデータを出し入れできる。ドライブ/テープの規格はLTO-5で、1巻当たり1.5Tバイト(圧縮時3Tバイト)のデータを格納する。ドライブのデータ転送速度は1秒当たり140Mバイト。

 同社のテープライブラリー装置のラインアップの中では、エントリークラスに相当する。最上位の「SL8500」(640ドライブ、10万880巻、1.1エクサバイト)と中位の「SL3000」(56ドライブ、5925巻、64ペタバイト)の下位に位置する。SL150よりも下位には「SL48」(4ドライブ、48巻、76.8Tバイト)がある。

 SL150の特徴は、ベースユニットだけの最小構成(1~2ドライブ、30巻)から、拡張ユニット9台を追加した最大構成(20ドライブ、300巻)まで、簡単にドライブとテープ巻数を拡張できることである。ベースユニットが備えるUSBポート(9個)に、拡張ユニット(1~2ドライブ、30巻)をUSBケーブルで接続するだけで、自動的に認識される。電源も、USB経由で供給する。拡張ユニットに対するドライブの追加も、スロットに装着するだけで完了する。

 日々のシステム運用コストを減らす手段として、ベースユニット本体の前面に、タッチパネル型の液晶ディスプレイ(サイズは7インチ、写真2)を搭載している。タッチパネルを操作することで、直接、稼働状況の監視などができる(Web画面によるリモート管理も可能である)。

ビッグデータにはテープが現実解

 なお、日本オラクルでは、ストレージ(データを格納する装置)のラインアップとして、DWHアプライアンス(ExaData)、NAS、SANストレージ、テープライブラリーの四つを軸として捉えている。容量単価が安いストレージとして、テープの価値が下がることはない、と見ており、テープの容量単価が向上し続けているにもかかわらずテープ市場の大きさが変わらない点を指摘している。

 「ビッグデータ時代にはテープライブラリーが必須」と力説するのは、日本オラクルでビジネス推進本部ストレージ担当ディレクターを務める阿部恵史氏(写真3)である。コスト効率を考えると、必要なデータ容量を高速ディスクだけでまかなうのではなく、フラッシュメモリー、高速/低速ディスク、テープという階層型ストレージが現実解である、としている。