楽天の子会社であるカナダKoboは現地時間2012年8月29日、電子書籍販売に関して米書店関連の協会American Booksellers Association(ABA)と提携したと発表した。2000店近い書店が所属するABAと手を組むことで、Koboは米国市場における地歩拡大を図る。

 KoboはABAとの提携にあたり、独立系書店向けの独自プログラムを開発した。書店はKoboの電子書籍リーダー端末の全機種や電子書籍アプリケーション、Koboの約300万タイトルにおよぶカタログからの電子書籍を提供および販売できる。同プログラムには、トレーニングや店内販促ツールのほか、マーケティング、販売、ロジスティクス関連のサービスも含まれる。書店はWebサイトで直接電子書籍を販売することも可能。

 米国での電子書籍販売に関しては、米Googleが電子書籍サービス「Google eBooks」のリセラー向けプログラムを、2013年1月末で打ち切ると4月に発表した。Googleは「当初見込んだほど関心を集めることができず、明らかに多くの読者や書店のニーズに対応していないと判断した」とプログラム終了の理由を説明しているが、独立系書店の間では関心が高く、ABAに所属する350以上の書店がGoogle eBooksのプログラムを通じて電子書籍販売を行っていたという(関連記事:Google、電子書籍サービスのパートナープログラムを来年1月で終了へ)。

 今回のKoboとABAの提携は、独立系書店がGoogleと結んでいた提携に置き換わるものとなる。Koboは、今秋にはまずABAメンバーの400店がKoboとの提携に基づく電子書籍販売を開始すると見込んでいる。

 Koboはカナダの大手書店チェーンIndigo Books & Musicから2009年12月に分離独立した事業。同社のコンテンツは、自社端末のほか、米Appleの「iPad」や「iPhone」、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」、Android搭載端末や、WindowsおよびMac OS Xパソコンでも閲覧できる。2012年1月に楽天が約236億円で買収している(関連記事:楽天、電子書籍事業のKoboを約236億円で買収へ )。

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