写真●年度別のモバイル端末の内訳
写真●年度別のモバイル端末の内訳
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 米IHS iSuppliが現地時間2012年8月28日に公表した推計によると、世界の携帯電話出荷台数に占めるスマートフォンの割合は2013年に50%を上回る見通し(写真)。同社が1年前にまとめた前回調査では、携帯電話の全出荷台数に占めるスマートフォンのシェアが半数に達するのは2015年としていたが、2年早まったという。

 これは過去1年間にスマートフォンの価格が低下し、さまざまな種類の端末が市場に出回ったことが要因。「これによりアジア太平洋地域では低価格端末、米国や欧州では中・高価格端末の販売に拍車がかかった」(IHS iSuppliのシニアアナリスト、Wayne Lam氏)。

 同社によると、昨年35%だったスマートフォンのシェアは、今年46%になり、2013年には54%に達する。その後数年間は2桁成長が続くことから、2016年には67.4%を占めるまでになると予測している。

 一方、昨年46%だったフィーチャーフォン(従来型多機能携帯電話)のシェアは今年41%に低下し、2016年にはスマートフォンの半分以下となる28%に低下すると同社は見ている。またフィーチャーフォンよりも低価格のエントリーレベルの携帯電話は今年の14%から2016年には4.2%に低下する見込み。

 こうしたなか、スマートフォンのプラットフォームをめぐって市場競争がますます激化するとIHS iSuppliは予測している。市場で成功するためには、これまでのようにハードウエア性能だけでなく、ソフトウエア機能、ユーザーインタフェース、アプリケーション、開発者コミュニティー、垂直統合型の開発・販売体制が重要になると同社は分析している。

 同社がまとめた2012年第1四半期(1~3月)における携帯電話出荷台数のメーカー別順位は、韓国Samsung Electronics、フィンランドNokia、米Apple、中国ZTE、韓国LG Electronicsの順。これら上位5社の合計シェアは75.5%で、年末商戦のあった前期(10~12月)の74.7%から増えている。

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