写真1●KDDIプラットフォーム開発本部サービスアプリケーション開発部メッセージング1グループの昼田裕課長補佐
写真1●KDDIプラットフォーム開発本部サービスアプリケーション開発部メッセージング1グループの昼田裕課長補佐
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 KDDIとシマンテックは2012年8月29日、au携帯電話・スマートフォンにおける迷惑メール対策への取り組みに関する説明会を開催した。対策の内容と成果を説明するとともに、背景にある技術的・人的な体制、特にアダルト系メールに対する地道な活動について解説した。

 KDDIプラットフォーム開発本部サービスアプリケーション開発部メッセージング1グループの昼田裕課長補佐(写真1)は、「迷惑メール対策は顧客サービスの一環として重視している。できるだけブロックする必要がある一方で、正規のメールを誤判定して受信したいメールを受信できない事態が起きてはならず、継続的な取り組みが必要になる」と話した。

迷惑メール検知率は99%超に

 KDDIは2011年8月からau携帯電話・スマホ利用者向けに、シマンテックの技術協力による迷惑メールフィルターを導入した。それまで85%程度だった迷惑メール検知率を、2カ月後に95%まで向上させた(写真2)。その後2012年1月から、さらに対策を強化した「迷惑メールおまかせ規制」を開始。現在の迷惑メール検知率は99%を超えているという。

写真2●auの迷惑メールフィルター導入による検知率の推移(スライド上)
写真2●auの迷惑メールフィルター導入による検知率の推移(スライド上)
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 auの迷惑メール対策の仕組みでは、自社開発部分以外は全てシマンテックの技術を採用している。唯一のパートナーとしてシマンテックを選択した理由について、KDDIの昼田課長補佐は「新手が次々と登場する日本の迷惑メールに対して、迅速に対応できる体制を整えてくれた」という点を挙げた。

 シマンテックは2011年にKDDIから迷惑メール対策に関する技術協力の打診を受けた時、米本社を巻き込んだ特別チームを組んで、技術的な検討に当たった。これを機に迷惑メール対応体制を強化し、今では日本人を含む約80人の「スパム専任エンジニア」が24時間体制で対応に当たっている。