日立ソリューションズは2012年8月29日、公益財団法人の埼玉県公園緑地協会と共同で、防災関連情報の提供を目的とするエリア放送「埼スタTV」を埼玉スタジアム2002において9月11日に開始すると発表した。同日は、「2014 FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選 日本代表 対 イラク代表」が予定されている。放送設備を常設し、9月11日以降も埼玉スタジアム2002でのイベント開催時に放送を予定する。防災を目的とするスタジアムでの常設のエリア放送は、日本初の試みとする。

 埼玉県公園緑地協会は、6万3700席を有するメインスタジアムやサブグラウンドなど、埼玉スタジアム2002公園を管理している。埼玉スタジアム2002公園には、Jリーグや日本代表によるサッカーの試合をはじめ、週末には多くの人が集まる。このため災害時の避難誘導やタイムリーな情報提供は重要な課題だったという。

 スタジアム内の観客に防災関連情報を配信する手段として、エリア放送を埼玉県公園緑地協会とともに開始する。具体的には、エリア放送設備の設置からエリア放送の免許申請代行、コンテンツの企画や作成、編集、配信、運用までをワンストップで提供する。埼玉県公園緑地協会はプロジェクトのとりまとめやサービス全体の企画・運営を行う。

 埼スタTVでは、平常時はイベントに関連するコンテンツに加え、災害時の避難経路などの防災情報を分かりやすく伝えるコンテンツを配信する。9月11日は、埼玉県のマスコット「コバトン」が登場する「コバトンと行く!埼スタツアー&観戦の心得(防災編)」を試合前から配信し、スタジアム内の施設案内や避難経路、悪天候や停電の際の注意事項を伝える。実際に災害が発生した時に通信が困難な環境でも来場者に負荷なく情報を配信できるというのがエリア放送のメリットといい、避難するために必要な情報をリアルタイムで配信する予定。来場者は座席別の避難経路をデータ放送で確認することもできる。試合後には、帰りの電車やバスなどの交通情報もデータ放送で配信を予定する。

 今後、日立ソリューションズは埼玉県公園緑地協会とともに、エリア放送を活用してスタジアムの安全性の向上を図るとともに、サッカーの試合や各種イベントなどでの利用を検討していく。

 このプロジェクトには、SEA Global(企画・制作)、DXアンテナ(エリア放送基準のフィルタ機能の提供協力)、日立製作所 横浜研究所(データ放送送出エンジンの提供協力) が協力する。

 既に埼玉県公園緑地協会を免許人とするエリア放送の免許申請を共同で行い、関東総合通信局より8月20日付で予備免許の交付を受けている。

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[埼玉スタジアム2002による告知のページ]

■変更履歴
初出時にタイトルの一部に誤記がありました。お詫びして訂正します。修正済みです。 [2012/08/29 14:40]