写真1●Hinemos仮想ネットワーク管理オプションの画面
写真1●Hinemos仮想ネットワーク管理オプションの画面
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Pica8 Prontoの外観
写真2●Pica8 Prontoの外観
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●OpenFlowの経路が切り替わるデモ画面(Hinemos)
写真3●OpenFlowの経路が切り替わるデモ画面(Hinemos)
[画像のクリックで拡大表示]

 エヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)は2012年8月28日、NTTデータが開発したシステム管理ソフト「Hinemos仮想ネットワーク管理オプション」(写真1)の販売を開始した。これによりNCLCは、OpenFlow対応スイッチ機器とOpenFlow対応システム管理ソフトを1社で提供できるようになった。OpenFlowの普及推進が狙い。

 NCLCは、2012年4月から米Pica8が開発したOpenFlow対応のL2/L3スイッチ機器「Pica8 Pronto」(写真2関連記事)を販売/出荷している。同スイッチの特徴は、汎用ハードウエア(ASICは米BroadcomのTrident+)と汎用ソフトウエア(LinuxとOSS)を用いて価格を低く抑えたこと(GbE×48ポートの最下位モデルで税別33万円)。OpenFlowスイッチソフト(Open vSwitch)も組み込んでいる。

 今回、NCLCは、NTTデータと販売代理店契約を交わし、NTTデータのHinemos製品群の販売を開始した。具体的には、NTTデータが2012年6月から販売/提供している「Hinemos仮想ネットワーク管理オプション」(関連記事)の利用環境一式を、OpenFlow管理ソフト(OpenFlowコントローラ)として取り扱う。同ソフトを使えば、OpenFlowスイッチであるPica8 Prontoの管理が容易になる。

仮想サーバーとOpenFlowスイッチを制御できるシステム論理設計ソフト

 Hinemos仮想ネットワーク管理オプションの機能とは、システム構成の設計/実装を、仮想化することである。GUI画面上でアイコンを並べて線でつなぐだけで、情報システムを設計/構築できるようにする。(1)サーバー、(2)負荷分散装置、(3)ファイアウォール、(4)L2スイッチ、(5)L3スイッチ、(6)外部ネットワーク---の6種類のアイコンを組み合わせて論理的なシステム構成を設計するだけで、構成済みの仮想サーバー(XenServer)のデプロイやOpenFlowスイッチの設定変更といった物理的な設定の反映ができる。

 記者発表会では、Pica8 Pronto採用システムをHinemosから制御するデモンストレーションを披露した。デモ構成では、6台のPica8 ProntoをOpenFlowでフルメッシュ構成でつなぎ、その背後に2台のXenServerサーバー機を配した(写真3)。ここで、(a)経路として選ばれているスイッチを停止して経路が切り替わることと、(b)XenServerのライブマイグレーション時に経路が切り替わることを実践して見せた。

 NCLCによるHinemos製品群の販売価格(税別)は、最低限必要になるHinemosの「基本ライセンス」「VM管理オプション」「仮想ネットワーク管理オプション」の三つの場合で、初年度620万円から(次年度以降は290万円から)。