米Appleは現地時間2012年8月27日、韓国Samsung Electronicsとの間で争われていた特許侵害訴訟の評決を受け、最終判断が出るまでの措置としてSamsung製スマートフォンの米国における販売差止の仮処分を申請した。

 Appleが米カリフォルニア州サンノゼの連邦地方裁判所に提出した書類には、対象製品として「Galaxy S 4G」「Galaxy S2 AT&T」「Galaxy S2 Skyrocket」「Galaxy S2 T-Mobile」「Galaxy S2 Epic 4G」「Galaxy S Showcase」「Droid Charge」「Galaxy Prevail」の8機種が挙げられている。

 両社間の特許侵害訴訟に関しては、8月24日に同連邦地裁の陪審がSamsungによるApple特許侵害を認める判決を下し、10億5000万ドルの損害賠償支払いを命じた(関連記事:AppleがSamsungとの特許侵害訴訟で勝利、損害賠償は10億5000万ドル)。Appleは裁判で、Samsungの28製品に7件の特許を侵害されたと主張し、約25億ドルから27億ドルの損害賠償を求めていた。陪審は「iPad」のデザインに関する特許を除く6件について侵害があったことを認めた。

 Appleは恒久的差止を申請する権利があるが、「当社が直接かつ継続的に受けている回復不可能な損害の一部に対処するために」8機種をリストアップしたとしている。米メディアの報道(Forbes)によると、連邦地裁は9月20日に販売差止に関する審問を開く予定。
 
 米Wall Street Journalは、Samsungが販売禁止の危機を回避するために、特許侵害を指摘された部分についてモバイルデバイスから取り除くか、変更することで無線キャリアとの話し合いをすでに始めたと報じている。

 なお、Samsungのタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」は6月に販売差止の仮処分を受けているが、今回の評決でiPad関連特許の侵害はなかったと陪審が判断したことから、SamsungはGalaxy Tab 10.1に対する仮処分の見直しを要求した(米InfoWorldの報道)。

[連邦地裁への提出書類]