米IHS iSuppliは現地時間2012年8月24日、韓国Samsung Electronicsのタブレット端末「Galaxy Note 10.1」の実機を分解して調査した原価分析結果(推定値)を発表した。それによると、Galaxy Note 10.1は競合製品である米Appleの「iPad」より利幅が大きいという。

 Galaxy Note 10.1は、10.1インチのWXGAディスプレイ(解像度は1280×800ドット)を搭載し、電子ペンを使った操作に対応する。ストレージ容量は16Gバイト、32Gバイト、64Gバイトの3種類で、Wi-Fi接続専用モデルと3Gネットワーク(HSPA+)対応モデルがある。年内にLTE対応モデルも投入する予定。

 IHSの見積もりでは、約640ドルで世界的に販売されている16Gバイト容量のHSPA+モデルはBOM(Bill of Material:部品表)に基づく部品原価が283ドルで、製造コストを含めると293ドルとなる。Wi-Fiモデルは米国希望小売価格が449ドルで部品原価が260ドル。一方Appleの新型iPadは、16Gバイト容量のWi-Fiモデルが米国希望小売価格499ドルに対し、部品原価は316ドルとIHSは見積もっている。

 理屈の上ではGalaxy Note 10.1の方が利益率が高いが、それは「Samsungが当初の販売価格を維持できた場合のみ実現する」とIHSタブレットおよびモニター調査担当のRhoda Alexanderディレクターは指摘している。同氏によると、Appleの競合社でタブレット端末を499ドルで大量販売できた例はなく、価格を引き下げて販売増加を図っている。

 しかし同氏はGalaxy Note 10.1の強みとして、グループ会社の主要部品を使っていることを挙げた。Galaxy Note 10.1で最も高い部品はディスプレイおよびタッチスクリーン(推定原価は100ドル)、次いでNANDフラッシュとDRAMメモリー(同45ドル)と推測されるが、それぞれSamsung Mobile DisplayやSamsung Semiconductorが供給している。

[発表資料へ]