金融庁は2012年8月24日、同月7日に東京証券取引所が引き起こしたシステム障害(関連記事)に対して業務改善命令を出した。これを受けて同日夕方、東証は会見を開き、原因はレイヤー3スイッチのソフトウエアのバグであることを明らかにした。東証は9月中にソフトの更新などの対処を終える予定だ。

 同スイッチは二重化しており、本来、障害が発生した際は、本番系から待機系に切り替わる。しかしスイッチ内部の障害を検知するソフトウエアにバグがあり、障害が起こった本番系がシャットダウンせず、切り替わった待機系側と合わせて本番系が二つ並行稼働する異常な状態となった。スイッチのメーカーはアラクサラネットワークスである。

 金融庁は東証が2月に続き半年間で2回障害を発生させたことを重くみており、社外の専門家による検証を受けることを命じた。「今年2月の東証によるシステム総点検が十分ではなかった」(金融庁)という。対応策の進ちょく状況を金融庁へ1カ月に1回報告するよう求めている。