写真●富士通 インテリジェントサービス本部 シニアマネージャーの高梨益樹氏
写真●富士通 インテリジェントサービス本部 シニアマネージャーの高梨益樹氏
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 富士通は2012年8月24日、同社のビッグデータに対する取り組みと、ビッグデータを活用した「データキュレーションサービス」について記者説明会を開催した。データキュレーションサービスは、顧客がビッグデータを活用し、新ビジネスの創出や業務改善に結びつけることを支援するコンサルティングサービスだ。

 データキュレーションサービスは、2012年4月より提供されているサービスで、標準的なコンサルティングのスケジュールは8週間。まず最初の2週間で顧客に対するヒアリングを行い、データを授受する。その後6週間かけて、探索的データ解析、パターンマイニング、機械学習など、分析方針に従ってさまざまな手法でモデルを作成、評価とフィードバックを繰り返しつつチューニングを行う。同社インテリジェントサービス本部 シニアマネージャーの高梨益樹氏(写真)によると価格は約500万円で、「来年度には50~60程度のコンサルティングサービスを手がけたい」としている。

 富士通では、ビジネスインテリジェンス(BI)などを担当した経験を持つ研究者やコンサルタント、プロダクト開発者、SEなどを集め、2011年1月にキュレーター組織を設立している。キュレーターは、モデリングやアナリティクス、システムデザインといった専門スキルを持っており、データキュレーションサービスにより、顧客の持つ業務データや未活用のデータを分析、評価し、データ活用の提案などを行っている。

 自らもキュレーターを務める高梨氏は、「キュレーターは、データから相関関係や因果関係を発見したり、予測シミュレーションをしたりする。つまり“データに語らせる”のだ。例えば、機械の故障を予測するにあたって、キュレーターはどのデータから機械の状態がわかるのかを理解している。これはBIにはない機能だ」と説明する。

 今後はデータキュレーションサービスの新たな商品「プロフェッショナル」も提供予定だという。プロフェッショナルでは、「モノづくりの端緒となるべきデータ活用モデルを検証し、検証したとおりの製品やサービスが実現するまでサポートする」(高梨氏)とのことだ。