写真●Flash accelerationの導入先となるHitachi Virtual Storage Platform(VSP)の外観
写真●Flash accelerationの導入先となるHitachi Virtual Storage Platform(VSP)の外観
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 日立製作所は2012年8月24日、フラッシュメモリーを活用してデータの入出力処理を高めたストレージ製品を段階的に強化していくと発表した。第一弾として同社のストレージ製品向けにSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)搭載時の処理速度を高めるソフトウエアを本日から提供した。

 ソフトウエアの名称は「Flash acceleration」。「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」(写真)に追加導入すると、記憶媒体をSSDにした場合、最大で従来の約3倍となる100万IOPS(ディスクへの1秒当たりのI/O回数)へデータ読み取り速度を高められる。VSPはハードディスクを記憶媒体に使う前提で開発されており、SSDを記憶媒体に使うと装置内部の処理が追いつかなくなる。Flash accelerationを導入すると装置内部の処理能力が向上し、SSDの性能を引き出せるようになる。

 さらに第二弾として、フラッシュを活用してストレージの処理速度を高めるコントローラーチップを開発したことも明らかにした。比較的安価なMLC(マルチレベルセル)のフラッシュについて性能を4倍に高めるとともに、企業システムで利用したときの寿命を5年以上にできるとしている。フラッシュの利用効率を高めたり、セキュリティを高める機能も備える。

 第三弾以降では、同コントローラーチップを活用した各種製品を2013年以降に提供していく。サーバー、ストレージ、アプライアンスといった幅広い領域に対してフラッシュを活用した製品を提供していく計画である。

 ストレージ業界では、米EMCや米IBMが半導体ストレージベンダーの買収を発表するなど、フラッシュメモリーを活用したストレージ製品の強化が盛んだ(関連記事1関連記事2)。日立製作所は、独自技術をベースにフラッシュを活用した高速なストレージ製品を段階的に強化することで巻き返しを図る。