米国の市場調査会社、IHS iSuppliが現地時間2012年8月23日に公表した中国スマートフォン市場調査によると、米AppleのiPhoneが苦戦を強いられている。同年上半期における出荷台数は、韓国Samsung Electronicsが最も多く、これに中国Lenovo Group(聯想集団)、中国Coolpad、中国Huawei Technologies、フィンランドNokiaが続いた。Appleは中国ZTEに次ぐ第7位。

2012年上半期の中国におけるスマートフォン市場シェア(出荷台数)
順位社名シェア(%)
1Samsung20.8
2Lenovo11.0
3Coolpad10.4
4Huawei9.8
5Nokia9.1
6ZTE8.4
7Apple7.5
 その他22.9
 合計100.0
出典:米IHS iSuppliの2012年8月調査

 2012年上半期におけるSamsungの出荷台数は1440万台で、市場全体の20.8%を占めた。これに対しAppleは520万台で市場シェアは7.5%とSamsungの3分の1程度。HuaweiやNokia、ZTEといった主要メーカーに及ばず、中国以外ではスマートフォンメーカーとしてあまり知られていないLenovoやCoolpadをも下回っている。

 その最大の要因は、iPhoneの対応通信方式にあるとIHS iSuppliは分析する。同社によると、外国メーカーで中国独自の3G通信方式「TD-SCDMA」に対応していないのはAppleのみ。この欠点を改善し、中国最大の通信事業者China Mobile(中国移動)と交渉をまとめたり、中国消費者の需要に応える低価格端末を投入したりする必要がある、とIHS iSuppliは指摘する。

 IHS iSuppliの推計によると、中国のスマートフォン市場は今後5年間で約10倍に拡大する。出荷台数は2011年の6700万台から、2012年には2.4倍の1億6000万台に達する見込み。このうちTD-SCDMA対応スマートフォンは2800万台になると同社は予測している。

 なお、このほかのメーカーの順位は、ソニー傘下のSony Mobile Communicationsがシェア3.5%で第8位、台湾HTCが同3.2%で9位、韓国LG Electronicsが同0.7%で15位などとなっている。

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